彩のもの
波のように揺らぐ「うみのいろ」炎にも夕日にも似た「蘇芳香」どっしりと佇む青の「深縹」銅釉から無限に編み出される色彩は唯一無二、天水窯の真骨頂。
この窯があるのは、
三重県四日市市小杉町天水(てんず)。
水、そして土、火という
天の恵みをもとにして
やきものに向き合う
私たちにとって、この地名は
まさに神聖なものであり、
運命的と言えます。
2016年5月に行われた伊勢志摩サミット。各国首相夫人が出席した「配偶者プログラム昼食会」にて、天水窯・稲垣竜一のワインカップが採用されました。
天水窯の代名詞ともいえる印象的なブルーは、三重の賢島・伊勢志摩の美しい海を表現。ひとつひとつ色合いの変化を微妙に持たせ、ゆらぎや深さを想像させます。また、原料の陶土には地元の細かい土を調合して使用、その風合いを生かすために高台部分をあえてざっくり削っています。他にもワインが飲みやすいような形状と薄さなど、細かいところに至るまでさまざまな工夫と技が凝らされています。
国の伝統工芸品にも指定されている四日市の萬古焼(ばんこやき)。さまざまな食器や生活用品が生産されている中でも、特に地元の土に含まれるペタライト(葉長石)の特徴を生かした耐熱陶器の製造が盛んな地です。
天水窯では2016年、第30回四日市萬古陶磁器コンペにおいて耐熱土鍋「鰒鍋(ふくなべ)」がグランプリを受賞しました。 この「鰒鍋(ふくなべ)」はその後改良を続け、現在のような形に進化。
よりシンプルなフォルムになり、ぐっと洗練された印象に。持ち手を省きながら、見えない所にくぼみをつけて持ちやすくするなど、使いやすさも徹底的に計算。調理はもちろん、ふたも本体もそれぞれ器として使える機能性と美しさを兼ね備えています。
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